粉ミルクは作ってから何時間以内なら安全に飲めるのかというと、常温で2時間、5°C以下の冷蔵庫で24時間だとわかりました。
2時間以上放置したり一度口をつけたミルクは、菌が発生する恐れがあるため、もったいないと感じても破棄しましょう。
また、作る時は必ず70°C以上のお湯を使用してくださいね。
我が子はほぼミルクで育てましたが、一気に飲み干すタイプだったので「作ってから何時間持つか」と考えたことがありませんでした。
冷めるとおいしいと感じなくなるから破棄するのかと思っていましたが、赤ちゃんを菌から守るためだったのですね!
「作ってから何時間」はどのような理由からなのか、キューブタイプや液体タイプのミルクにおける違いなどを解説しています。
保温できる便利グッズも紹介していますので、ぜひ参考にしてください♪
ミルクは作ってから何時間飲める?ガイドラインに記載
粉ミルクを作ってから何時間以内であれば安全に飲めるかは、厚生労働省のホームページに掲載されているガイドラインに記載されています。
「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」は、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)が2007年に公表したものです。
こちらのガイドラインには、以下のような記載があります。
(前略)火傷に気をつけて、70°C以上にまで冷却した適量の沸騰させた水を、清潔で滅菌済みのコップあるいは哺乳ビンに注ぐ。(中略)調乳後2時間以内に使用しなかったミルクは廃棄すること。(後略)
厚生労働省
また、冷蔵庫に保存する場合における記載もありました。
(前略)粉ミルクを調乳した後2時間以内に消費しない場合には、調乳直後直ちに冷やすものとし、(5°Cが上限温度である)冷蔵庫で保存しなければならない。(中略)冷蔵保存した調乳済み粉ミルクについては、調乳から 24 時間以内で使い切るべきである。(後略)
厚生労働省
私は子供たちにミルクを飲ませていた当時、冷蔵庫に保存するという考えがなく調べもしませんでしたが、24時間も保存して良いとは驚きです!
どちらの場合もあくまで目安で、本来は作り置きはせず、調乳したてのミルクを飲ませることが赤ちゃんにとってベストだということを覚えておきましょう。
また、2時間まで保存できるのは、調乳後に口をつけていないミルクに限りますのでご注意ください。
残ったミルクを捨てるのはもったいないと思うかもしれませんが、菌が発生し赤ちゃんの健康に影響を及ぼす可能性があるため、保存してはいけませんよ。
次項より、ガイドラインの内容について詳しく掘り下げていきます!
70°C以上のお湯で作れば常温で2時間保存可能
先ほどもお伝えしましたが、調乳後のミルクを常温で保存する場合は、2時間以内に消費しましょう。
一般的な粉ミルクの作り方は、以下のような流れですね。
- 消毒された哺乳瓶に必要な量の粉を入れる
- 70°C以上のお湯を途中まで入れて、振って溶かす
- 出来上がりの量までお湯(湯冷まし)を足し、混ぜる
- 体温くらいまで冷ます
我が子たちはほぼミルクで育てたので、何度ミルクを作ったかわかりません!
もう10年程前のことなので懐かしさを感じると共に、冷ます工程が結構面倒だったという記憶が蘇りました。
下の子のミルクは、上の子と一緒に作ったりしたなぁ
前述のガイドラインによると、70°C以上のお湯を使用して作ったミルクは、作ってから2時間を越えて常温で放置しないようにと推奨されています。
これは、冷蔵温度より高い温度で長時間放置することにより、菌が増殖する恐れがあるためです。
気をつけなければいけない菌が2種類ありますので、この後説明していきますね。
粉ミルクの製造過程で混入する可能性があるサカザキ菌
気をつけなければいけない1つ目の菌は、粉ミルクの製造過程で混入する可能性があるサカザキ菌です。
サカザキ菌とは、ヒトや動物の腸管、食品や自然環境に広く分布する細菌で、菌が含まれる食品の成分などにより耐熱性が変化し、6℃~47℃で増殖が可能です。
サカザキ菌によって健康被害が起こる可能性は、低いとされています。
しかし内閣府の食品安全委員会によると、乳幼児が感染すると以下のような病気を引き起こす危険性があるとのことです。
- 敗血症
- 壊死性腸炎
- 髄膜炎(重篤な場合、併発する可能性)
実際海外では、サカザキ菌に感染したことにより死亡したと考えられる事例がありました。
ここで私はふと、製造過程で混入していても、知らずに購入して使用するため防ぎようがないのでは?と思ってしまいました。
私と同様に不安を感じたあなたに、大事なポイントを教えるよ!
サカザキ菌は、70°C以上のお湯で調乳すれば死滅するとされているのです!
赤ちゃんを菌から守るためだと思えば簡単なことですので、必ずこの方法で作りましょうね。
粉ミルクの開封後に混入する可能性があるサルモネラ菌
気をつけなければいけない2つ目の菌は、粉ミルクの開封後に混入する可能性があるサルモネラ菌です。
サルモネラ菌は、耳にしたことがある方が多いですよね。
私も知っている菌ですが、ミルクに混入する可能性があるとは知りませんでした。
サルモネラ菌は、主にヒトや動物の腸管内に生息する細菌で、数多くの種類があります。
国立感染症研究所によると、以下のような病気を引き起こす危険性があるとのことです。
- チフス性疾患
- 食中毒(下痢、発熱)
サルモネラ菌は、粉ミルクの製造過程では混入することはほとんどなく、開封後に粉ミルクを溶かすときや溶かした後に混入することがあります。
どちらの菌も乾燥した粉ミルクの中で増えることはありませんが生存は可能なので、開封後の粉ミルクに混入して、長い間生存することも考えられるのです。
赤ちゃんの健康を守るため、消毒をした哺乳瓶を使用し、必ず70℃以上のお湯を使用してミルクを作りましょうね。
5℃以下に保たれた冷蔵庫なら24時間保存可能
5℃以下の冷蔵庫に保存する場合は、24時間まで安全に飲むことができます。
熱いままのミルクを冷蔵庫に保存すると、冷蔵庫内の温度を上昇させてしまうことから、冷蔵庫に入れる前に速やかに冷やしましょう。
冷たい流水下に置くか、
冷水を張ったボールに浸しておくと素早く冷やせるよ
また冷蔵庫に保存したい場合は、冷蔵庫内の温度を定期的にチェックする必要があります。
安全に保存するために必要なことなので、怠らないようにしましょうね。
私は、保存前に冷やすことや定期的な温度チェックが性格的に向いていないなと感じました。
しかし苦にならない方にとっては、冷蔵保存は24時間保存出来るので、とても便利な方法ですよね!
溶かした後の粉ミルクを5℃以下に保つことで前述のサカザキ菌やサルモネラ菌の増殖を抑えることができるとのことです。
これより高い温度(室温など)に置かれた場合は、急激に増える恐れがあるため、十分に注意が必要ですよ。
特に夏場は、気温が高いから気をつけないとね!
補足すると、冷蔵庫から取り出したミルクはそのまま飲ませるのではなく、湯煎などで温め直してから飲ませましょう。
キューブタイプや液体タイプの保存可能時間
キューブタイプのミルクは、保存可能時間が粉ミルクと同じですが、液体タイプのミルクは、開封後すぐ消費しなければいけません。
お出かけや旅行などへの持ち運びに便利な、キューブタイプや液体タイプのミルクが販売されていますね。
私も家では粉ミルクを使用していましたが、お出かけ用にキューブタイプをストックしていました。
キューブタイプと言えば「明治ほほえみ らくらくキューブ」が有名ですが、調乳方法は粉ミルクとほぼ同じです。
スプーンで計る必要がない分、時短になりますよね♪
(前略)ミルクはその都度、1回分ずつ作ります。調乳後2時間以内に飲ませましょう。飲み残したミルクは飲ませないようにしてください。(後略)
株式会社 明治
上記のようにホームページにも明記されていますので、きちんと守りましょう。
液体タイプのミルクにおける注意点
液体タイプのミルクは、商品によって「開封後すぐに消費すること」「開封後すぐ(2時間以内)に消費すること」と記載が異なるため注意が必要です。
- 明治ほほえみ らくらくミルク
- 明治ステップ らくらくミルク
- グリコ アイクレオ 赤ちゃんミルク
- 雪印ビーンスターク すこやかM1
- 森永 はぐくみ 液体ミルク エコらくパウチ
我が子たちの授乳期は液体ミルクが出始めで種類がなかったのですが、こんなにあるのですね!
液体タイプのミルクは、開封して哺乳瓶に注ぐだけで飲むことができますし、湯煎で温めて飲むこともできますよ。
夜中の授乳時に使用したかったなぁ!
「明治ほほえみ らくらくミルク」は、粉ミルクやキューブタイプのミルクと同様に、ホームページに「2時間以内」と明記されています。
しかしその他の商品はすべて時間の記載がありませんでしたので、グリコにアイクレオについて問い合わせてみました。
液体タイプのアイクレオは、粉ミルクと同様に作ってから2時間まで保存できるのか?
基本NG。液体ミルクに調乳した粉ミルクを注ぎ足すことができるが、この場合は2時間まで保存が可能である。
上記の回答を詳しく説明すると、例えば180ml作る時、液体タイプのアイクレオ1パック(125ml)を哺乳瓶に注ぎますが、2パック入れると余ってしまいますよね。
足りない分の55mlは、調乳した粉ミルクを注ぎ足すことが可能で、この「液体ミルク+粉ミルク」であれば、2時間まで保存して良いとのことです。
赤ちゃんによって飲む量が異なるため、液体ミルク1パックの分量をちょうどよく消費することは難しいです。
2パック開封して1パックの半分以上捨ててしまうのはもったいないので、粉ミルクを注ぎ足すことが出来れば、液体ミルクを無駄にせずに済みますね。
こちらは、あくまで「グリコ アイクレオの液体タイプのミルク」についての例です。
他メーカーの液体ミルクについては問い合わせていませんので、気になった方は問い合わせをしてみてくださいね。
ミルクの保温や温め直しが可能なボトルウォーマー
ボトルウォーマーを使用することで、ミルクの保温や温め直しができます。
「ボトルウォーマー」がどのような物か知らない方もいますよね。私もその1人ですが、主な機能としては以下の通りです。
我が子の授乳期はあまり知識がなく、冷蔵庫で保存したことすらなかったので、このような便利な商品があるとは知りませんでした。
冷蔵庫で保存したミルクは湯煎で温め直す方が多いと思いますが、お湯の準備や温度調節が面倒ですよね。
ボトルウォーマーを使用すれば、スイッチ1つで楽に適温にできるためとても便利です♪
温め直している間も、赤ちゃんを抱っこしてあげられるね!
ただし、温度が保たれているからといって、いつまでも保存しておけるわけではないのでご注意くださいね。
常温で保存している場合と同じで、2時間以内に消費するようにしましょう。
色んなメーカーから販売されていますが、商品によって機能は様々ですので、選ぶ時はきちんと確認しましょうね。
ちなみに冒頭で紹介している商品は、全部で9つの機能が備わっています。
- スチーム除菌
- 離乳食保温
- 急速解凍
- 急速加熱
- タッチパネル
- 空焚き防止
- 自動停止
- 夜間も見やすいバックライト
面倒な除菌や離乳食の保温も可能とは、驚きました!
もちろん作りたてのミルクを飲ませることが一番良いですが、便利グッズを上手く活用することで、忙しいママの負担が減らせると良いですね。
以下の記事でボトルウォーマーについてより詳しく紹介していますので、ぜひ併せて読んでいただきたいです♪
まとめ
- 粉ミルクを作ってから何時間以内なら安全かは、常温で2時間、5℃以下の冷蔵庫で24時間と厚生労働省HPに掲載のガイドラインに記載
- 70℃以上のお湯で調乳し、一度も口をつけていないミルクは、常温で2時間保存可能
- 製造過程で混入する可能性があるサカザキ菌、開封後に混入する可能性があるサルモネラ菌を死滅させるため、必ず70℃以上のお湯で調乳
- 5℃以下の冷蔵庫なら24時間保存可能だが、保存する際は「ミルクを急速に冷やすこと」「冷蔵庫内の温度のチェックを怠らないこと」が大事
- キューブタイプの保存条件や時間は粉ミルクと同じだが、液体タイプは商品によって異なるため、確認が必要
- ミルクの保温や温め直しが可能なボトルウォーマーを活用すると便利
調乳した粉ミルクは作ってから何時間保存可能かというと、常温で2時間、5℃以下の冷蔵庫で24時間までだと分かりましたね。
とは言え基本的には作り置きはせず、都度作りたてのミルクを飲ませてあげることがベストです!
私は子供たちに作りたてのミルクを飲ませることが多かったのですが、きちんとしていたということではなく、知識がなかったためです。
あの頃は「ミルク作り職人」のように速く作れていたよ!
今回の調査で、ガイドラインの存在を初めて知りましたし、70℃以上のお湯を使用することの理由や重要性がわかって、勉強になりました。
清潔を保ち正しく作り、保存方法にも注意を配れば、夜中の授乳タイムも少し余裕を持って過ごせそうですね。
あなたも正しい知識を身に付けて、赤ちゃんの健康を守りましょう♪
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