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と、ある場所で、道路が狭いために片側交互通行用の電光掲示板が設置してあった。対向車注意というオレンジ色の文字が点滅しており、その下に「点滅中は対向車がきます。通過するまでおまちください」と書いてある。

当然私は待った。うっかり進入して鉢合わせになったら冷や汗ものだ。

ところが待てども待てども対向車が来ない。

5分ぐらいも待っただろうか、やっと1台が通り過ぎた。これを待っていたのかと思い、さっそく発進しようと思ったが、対向車注意の点滅は消えないままだ。まだ来るらしい。

しかし次の車が全然来ない。いったいどれだけ長い区間片側通行なのか。先の車が来るまで5分待ったということは、この区間を通過するのに5分以上かかることを意味している。もしその5分の間に次の車が、片側通行区間に入ってしまったら、それも通過するまで待たなければならないのだろうか。

本来なら時間を決めて交互通行させるべきなのだ。それを感知器をつけて、車が通過したら反対側を止めるという形にしたから、こういうことになる。間の悪いタイミングで来てしまったものだった。

そうして数分後、2台目がやっと通過。これでようやく通行できると思ったら、まだ点滅が消えない。待っている間にさらに次の車が区間に入ったのだ。

おいおい、勘弁してくれよ。

いくら交通量が少ない道路だからといって、これではいつまでたっても通過できないではないか。

システム考え直せ、と思っていると、われわれの後ろから路線バスがやって来て隣に並び、運転手がこっちを向いて「これ、壊れてるよ」と言うなり、表示を無視して片側通行区間に侵入していったのだった。

……。

ふざけてはいけないのである。何分待ったと思ってるんだ。10分は待ったぞ。

バスの後ろについて進入すると、片側通行区間はものの1分ぐらいで終わった。

んおおお、こんなに短いんかい!

さらに、この国道は狭いだけでも大変だったが、もっと恐ろしかったのが落石である。山に上るにつれ落石注意の標識がたくさん見られるようになり、実際道路上に小さな石がいっぱい落ちていた。それどころかよく見れば崖側のガードレールがボコボコである。なぜガードレールがボコボコなのか。当然それは石がそうしたのである。過去にガードレールを凹ますほどの石が落ちてきたのである。

そして、ガードレールはほぼすべてボコボコなのだった。

つまり全区間で本気の落石があったということだ。

どんだけ石落ちまくってるのか。つまり、今この瞬間に本気の石が落ちてこないとも限らないということではないか。

やばいやばい。早く通り過ぎよう。

だいたい落石注意と言われて、どうしろというのか。注意してたって石は落ちてくる。こっちはどうしようもない。だいたい車は前と後ろ、さらに横は見えるけれど、上は見えるようになっていない。落石に気づいたときには遅いのだ。

こんな道はさっさと通り抜けるに限る。だが、目指す奥祖谷はずいぶん遠いのであった。

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第17回 四国横断3

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