昨今の塾業界を見渡してみると、個別指導の形態が随分優勢であると感じます。
個別指導塾が商品として研究、発明され、普及した結果でしょう。
その結果、街中のいたるところに個別指導塾の看板が見られるようになりました。
ではそれらの立派なシステムに則った学習塾はよい塾なのか?
それは外見からは判断できません。実際に試してみなければわかりません。
今回はそもそもよい塾とはどういう塾で、どうやってそれを見抜けばよいのかをお話しましょう。
教えてもらえるのは当たり前
旧来、学習塾と言えば集団指導が一般的でした。
もう何十年も前の話です。
質の高い授業をしてくれるところが他に無かったので、学習塾は爆発的に流行しました。
集団指導は、生徒のほうが授業に合わせていく形態です。
授業についていけないからといって、授業は生徒を待ってくれないので生徒はそれはもう必死に勉強します。
それで成績が上がっていきます。
近年では生徒を細かくサポートするスタイルが主流です。
それは学習塾の授業がありふれたものになり、授業だけでは付加価値が低くなったからです。
どんなによい授業をしても、それが特別なものではなくなってしまっている―
このように塾間で授業の差別化が図れない状態は教育のコモディティ化とも言えるでしょう。
学習塾がありふれた存在な上に、特に現代ではインターネットでいくらでも良質な授業を視聴できるのですから、ただ授業をしているだけでは魅力的に見えない時代です。
よい学習塾の条件
以上のような経緯で、学習塾の売り出し方もあの手この手で考えられてきました。
各塾とも、生徒の通塾しやすい時間帯、長すぎず短すぎない授業時間、学習効果が期待できるコマ数などを設定して売り出していますが、このようなことは些末ごとです。
学習塾の使命とは生徒の成績を上げて、志望校に合格させることです。
その目的を達成するためには実は手段はあまり重要ではありません。
大事なことは、指導力が高い講師がいて、生徒にきちっと勉強をさせてくれることです。
また、教室内の全ての管理をしているのは塾長(教室長)です。
この塾長がどんな人となりで、どういう接し方をしてくるかが非常に大切です。
塾長がいい加減な感じだと、たとえ勉強をしっかり教えてくれても塾に在籍するメリットは低いでしょう。
なぜなら、受験という最終目標への照準を上手く合わせられないからです。
当たり前と言われればそうですが、学習塾としての使命をきちんと果たそうとする塾がよい塾だということですね。
従来の価値観にとらわれない指導
個別指導に加えて、最近では自立型と呼ばれる指導形態も人気です。
私は自立型とはよく考えられたシステムだと思います。
自立型は教わることよりも、自立して学ぶことに重点を置いたシステムなんですよね。
先生は生徒の管理と、わからないところを教えるというように生徒のサポートに徹します。
一昔前の価値観であれば、先生が何も教えずに生徒を見ているだけとは何事か、と評価されたと思います。
実際は自立型は集団指導に比べると遥かに先生のスキルが必要なんですけどね。
この先生=授業をするという図式が崩されていったのは、形にとらわれずに成果を追求する視点によるものでしょう。
学習塾は評判、口コミが大切
では実際にどこの塾がよいかというと、同じ系列塾でも、教室によって質が違うということになります。
つまりは確かめてみないとわからないのです。
ですからどこの塾でも体験授業と面談を行っています。
できれば授業も見学させてもらって、その塾の本質を見極めましょう。
大体は教室長を見ればその塾のレベルがわかります。
具体性のある学習計画と、この先生なら合格させてくれるという説得力、それから凄みのあるオーラを感じられたらなおよいですね。
若い先生でもできる先生はいます。
とは言えども、初見でその塾のことはなかなか理解できないでしょう。
だからご近所さんやインターネットの口コミが大切なんですね。
病院や歯医者などもそうですが、評判のよいところに行くと大体上手くいくものです。
口コミも、インターネットの口コミよりも、実際に人から聞いた方が確実です。
紹介特典がある塾も多いので、積極的に聞いてみましょう。