予備知識として知っておけば攻略が楽になる算数問題です。
問題
4×A+5×Bの答えにできない最大の数字は?(A,Bは整数で0ではない)
正解は下にあります。
解説
答えは20です。
4と5の最小公倍数にあたる20がそのまま答えとなります。
ではなぜそうなるのか、数学的な説明は置いといて、出来るだけ算数の理屈で考えてみたいと思います。
1列 | 2列 | 3列 | 4列 |
1 | 2 | 3 | 4(A=1,B=0) |
5(A=0,B=1) | 6 | 7 | 8(A=2,B=0) |
9(A=1,B=1) | 10(A=0,B=2) | 11 | 12(A=3,B=0) |
13(A=2,B=1) | 14(A=1,B=2) | 15(A=0,B=3) | 16(A=4,B=0) |
17(A=3,B=1) | 18(A=2,B=2) | 19(A=1,B=3) | 20(A=5またはB=4) |
1から20までを4つ区切りで5行4列の表にしてみました。
一列目は4で割ると1余る数が入っていますね。
この一列目の数の構成要素に必ず5が1つ含まれていることにお気付きでしょうか?
5は4で割ると1余る数だから、5一つに4を何個か足せば自由に4の倍数+1の数は作れます。
では5二つになるとどうでしょうか?
5二つで10であり、4で割ると2余る数です。
だから、これまた10に4をいくつか足すことで4の倍数+2の数はいくらでも作れます。
同じように5三つは15で、15は4で割ると3余ります。
15に4をいくつか足すことで4の倍数+3の数を自由に作ることができます。
問題は5を四つ集めた20ですが、20は4の倍数でもあります。
20に4をいくつか足すことで自由に4の倍数を作ることができるのですが、20自体は決して4と5を組み合わせて作ることはできません。
必ず5を1つは使って20を表すとするならば、5を4つ使うしかないのです。
そして、20までに4の倍数+1と、4の倍数+2と、4の倍数+3の作り方は確定しています。
だから、一番最後にできた4の倍数である20、が答えとなります。
この話、奥深いところまでつながっています。
5は4で割ると1余りますので、4の倍数+1の数です。
ですから、5が2つだと4の倍数+2、3つだと4の倍数+3、4つでちょうど4の倍数になります。
2つの整数が1以外に公約数を持たないことを互いに素と言いますが、4と5も互いに素です。
〇と□が互いに素であるとき、〇をいくつか集めた数は□の倍数+△を全て経由した後で□の倍数に行き着きます。
例えば、7と5ではどうでしょうか。
7…5の倍数+2
14…5の倍数+4(余りの2が2つ)
21…5の倍数+6(余りの2が3つ)→5の倍数+1
28…5の倍数+3(5の倍数+1と5の倍数+2を合わせる)
35…5の倍数+5(5の倍数+3と5の倍数+2を合わせる)→5の倍数
難関校ではこういう整数と余りの関係を理解しているか問うような問題が多数出題されます。
このような考え方を知っていれば、整数問題だけでなく、光線発射や立体切断の問題も考えやすくなりますので是非押さえておきましょう!