塾講師が灘中学の算数にチャレンジした結果 2020年度入試問題

大人でも頭を捻る灘中の入試問題

灘中学校とは

灘中学校は兵庫県にある男子校で、関西屈指の進学校です。六年間一貫教育の学校ですが、入学と同時に先生方も担任団を結成しそのチームで高校3年生の卒業まで持ち上がってくださります。こうすることで、子どもたちは6年間を見通したカリキュラムの中で学ぶことができ、また、きめ細かな生徒指導を受けることができます。

灘中学校には子ども達の個性を伸ばす環境が守られているのも大きな特徴です。服装、髪型も子ども達に任されています。自由です。ですが、それは何をしても許されるというのではありません。それぞれが、中学生、高校生であるという自覚をもって自由を謳歌し、それぞれのスタイルで勉強に励み、実績を積む。それが灘中学校なのです。

灘中学の入試問題は特に算数が、恐らく日本一難しいことで有名ですよね。

数ある難関校の中でも灘中学だけは、特別な対策をしないといけないと痛感しています。

圧倒的に要求される思考力とスピードを養うために、専門の訓練をしないと苦戦必至です。

 

そんな小学生を苦しめる灘中学の算数の問題は、塾講師から見れば至高の作品です。

本当に毎年素晴らしい問題なので、楽しませていただいています。

そして小学生と同様に苦しみますw

 

私も算数を教えている者のはしくれとして、灘の問題は毎年研究しています。

というか、時間まで計ってこっそりテストをするんです。

Suck
毎年の恒例行事になっています。

2020年度灘中算数の点数は?

というわけで、一日目をテストしました。

二日目はゆっくり時間をかけて考えるのが恒例です。

今年の結果は…

15問中13問正解でした。

間違えたのは大問4の2番で原因は処理ミス、それから大問11の立体図形は見取り図までは浮かぶものの求積方法がなかなか出てこずタイムアップでした。

相変わらず満点を取れないのは悔しいですが、個人的には満足です。

Suck
今年も良問をありがとうございました。

灘中の算数はどこが難しいのか?

さて、筆者は灘中志望の生徒を教えていないので参考程度にとどめてほしいのですが、灘中の算数の難しいところについて考えてみたいと思います。

Suck
過去数十年分を解いた感想ですよ。

 

圧倒的な計算力と高度な作業処理能力を求められる

これはもはや灘を目指すための前提の部分です。公言はできませんが、灘は誰でも努力次第で合格できるとは言えないように思います。

相当小さい頃から灘に入れるためだけに育てるならまだしも、皆がそうして受験と向き合う訳ではないですからね…

 

方程式はほぼ封じられていて使えない

灘中志望の生徒ともなれば方程式などはお手のもので、何人かに一人(確か3、4人?)は二項展開までできるそうです。

そうなるといくら複雑な数値で消去算をさせようとしても、方程式で解いてしまえば一発なのですから誰でも解ける問題ということになってしまいます

文章題はそういった数学の技を使えないような問題設定にしているのですね。

近いところまでは検討をつけられるものの後は絞り込むしかないといったものが多いです。

だからといって、不定方程式(いもづる算)のように定石があるわけでもないのです。

2020年度の問題でも、旬の軽減税率や、日暦算をテーマに手の付け方に迷うような問題が出されています。

 

制限時間がシビア

これは入試問題なら何でもそうですが、でも特に灘の問題は時間に気をつけねばなりません。

60分の試験で大問が11個あるわけですから、ざっくりと大問1つに5分しかかけられないのです。

考え込む時間はありません。

計算も一度で確実にこなしてスピーディに進めないと気ばかり焦ってしまうでしょう。

全部を解く必要はないものの時間配分については専用の練習が必要です。

灘中算数攻略法とは?

問題の取捨選択の重要性

大手塾ではこんな練習をしているそうです。

過去問を制限時間30分くらいで解かせ、その中で最大限得点する努力をする

30分では満足に目を通すこともできないですし、これはそもそも問題を解くスピードを鍛えるのが主目的ではありません。

どの問題に手をつけて、どれを避けるかを瞬時に判断する問題選択の訓練です。

何も大問1から順番に解く必要もありません。

生徒一人一人が各々に合った方法を見いだせばよいのです。

これはピンとくればあっさり答えを出せる問題が多い灘中の問題においては特に効果の高い訓練だと思います。

一つの問題に15分かけて結局解けなかった、というのではその時点で失敗なわけですから。

当てはめも躊躇なく使う

講師は普段当てはめを好ましくないこととしていますが、それはつるかめ算で解ける問題などの場合です。

灘の問題は思考力をもってあたりをつけたり、絞り込んだ先は推測したりする機会も多いのでエレガントな解法にこだわらないことが大切です。

それでも当てはめで答えが出ることは少ないとは思いますが…

要は試験本番では八方手を尽くすことが大切だということです。

過去問はあるだけ全部解く

灘の算数は他に類を見ないような問題です。

見た目はシンプルだけど奥では複雑に絡み合っているような問題を練習しようにもなかなか類題がありません。

ただ難しいだけの問題ならそこそこ見かけますが、灘の問題はそのような問題とはやはり一線を画しています。

というわけで、灘の対策は灘の問題でしか行えないのではないかと思います。

近い問題を提供してくれているのは王者の算数や大手塾の専用のテキストくらいでしょうか…

それくらい特殊な問題です。

ですから少なくとも平成の初期ぐらいから過去問を手に入れて点数をとる練習をするべきです。

要領が掴めてくると得点はグッと伸びてきますからね。

 

今後灘中を目指している皆さんの健闘を祈っています。

灘中の算数を教えられるのはどんな先生?

難しい入試問題を教えるには頭が良くて、全て生徒の上を行っていないといけないわけではないと思います。

勿論、学力があるに越したことはないのですが、実際自身が優秀な先生に限って教え方が下手だったり人間性に問題があったりするんですよね。

それは一言で言うと「生徒に歩み寄れていない」ということだと思います。

生徒がどこに躓いているのかを生徒目線で発見するには、問題を解く側ではない、プロの講師である必要があります。

あくまで問題は教育の題材で、それをテーマに生徒を育てていくのです。

だから、講師は問題を熟知しておく必要はありますが、即興でそれを解ける必要はないんですね。

下準備をしっかりしておくのが講師の仕事なんです。

そうした準備をしっかりして生徒に気を向けてくれる講師を見つけるようにしましょう。

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