ホーム 『モルテン食いたりないよね^q^』田辺青蛙 第12回 荒木飛呂彦先生の原画展の思い出inフィレンツェ② 「とうとう開幕原画展! 現地で読んだイタリア語の『岸辺露伴グッチへ行く』」 Page 1



第12回:荒木飛呂彦先生の原画展の思い出inフィレンツェ②
「とうとう開幕原画展!
現地で読んだイタリア語の『岸辺露伴グッチへ行く』」


夕方、日本から持ってきた黒いワンピースを着て夫と共に原画展の会場に向かった。

辺りは淡い闇に包まれており、どこからか肉の焼ける香ばしい匂いが漂ってきた。

会場に着くと、闇の中で鮮やかなピンクの会場の看板はより目立ち、中に入ると天井の高い建物の中にはGucciの工房の写真が飾られていた。

Gucciの工房の写真が飾られている
Gucciの工房の写真が飾られている

工房の写真
工房の写真

階段の入り口にはイタリアを舞台にした『ジョジョの奇妙な冒険』第5部の主人公ジョルノが手から花びらを生み出しているイラストが展示されている。

セクシーなジョルノ
セクシーなジョルノ

2階の展示室の近くでは、Gucciのワンピースを纏った第6部の主人公徐倫がユニコーンに乗った姿の大きなパネルがあり、皆がその前で代わる代わる写真を撮っていたので、私も配られたばかりのウェルカムドリンクを手に、夫に撮ってもらった。

ジョリーンとユニコーン
ジョリーンとユニコーン

展示作品
展示作品

天井の細工も見事
天井の細工も見事

会場内はイタリア語や英語や日本語が入り混じって飛び交っており、iPadを使った漫画の展示も行われていた。

海外のBDやコミック等と違い右から読みますよと「漫画」の読み方が英語でも書かれており、Gucciのモデルなのか、雑誌からするりと抜けだして来たような全身をGucciブランドの服に身を包んだハンサムな男性が真剣にiPadを使って漫画を読んでいた。

展示されていた漫画の内容は「岸辺露伴グッチへ行く」。

あらすじ:祖母の遺品のバッグには不思議で不便な力があり、それを修理して貰うためにイタリアのフィレンツェにあるGucciの工房に向かうのだが……。

作品は雑誌掲載時に読んだことがあったので、内容は既に知っていたのだけど、実際に作品の舞台となった場所で読むとより感慨深かった。

漫画を読み終え、他の展示品を見ようと顔を上げると、イタリア人らしい背の高い男性を、有能! と絵に描いたような女性の通訳に紹介された。

この方はイタリアの漫画家さんかしらん? と思いきやGucci JapanのCEOだと紹介されたので驚いた。何を話そうかなと考えていると、CEOの男性はニッコリと微笑みながら語りかけてくれた。「フィレンツェにはGucciのミュージアムがあり、そこにはカフェもあります。覗いてみるだけでも、ワインを一杯飲むだけでも楽しめるので、もし行ったことがないなら行ってみるといいですよ」

私は少々どもりながら「い、行ってみたいと思います」と答え夫に助け舟を求めようとしたが、相手は遠くで真剣に荒木飛呂彦先生の原画を食い入るように見つめていた。

ん?
ん?


会場内で写真を撮影したり、イタリア在住のジョジョファンと会話を交わしていると奥様と一緒に荒木先生が現れた。

毎度のことだし、広く知られていることではあるけれど、吸血鬼のように若い荒木先生の姿は見るたびに驚かされてしまう。

年を取らない荒木先生
年を取らない荒木先生

しばらくは会場内の取材を受けたりしながら、忙しそうにしていた荒木先生なのだけれど、その合間に少しだけお話をすることが出来た。

どんな会話を交わしたのか緊張していたせいか、実をいうとよく覚えていない部分があるのだけれど、解剖博物館について先生から聞いたことだけは思い出すことが出来る。

「人体解剖の蝋人形が展示された博物館がフィレンツェにあるってご存知ですか?」

「いえ、知らなかったです」

「蝋人形の解剖模型と、動物の剥製が沢山あるんですよ。でも、その模型があまり精密じゃなくって、俺の考えた解剖図みたいなんだけど、血管とかが細かくってね、一度フィレンツェに来たなら見て行った方がいいですよ。確か名前はスペーコラだったかな。ここの会場からもそう遠くなくって歩いて行ける距離ですよ。女性の人体解剖模型でね、なかなか色っぽいんです」

「と、いうことは筋肉隆々の男性じゃなくって女性の解剖模型の蝋人形なんですか?」

「若い女性でしなっとポーズをとっていますよ。でもそこにたどり着く前に膨大な数の剥製の部屋を通っていかなくっちゃいけないんですよ」

他にも荒木先生からはフィレンツェのホテルに出るという噂の幽霊のお話や、イタリア国内にある骸骨寺やカタコンベの話等興味深い話を聞くことが出来た。

3ショット
3ショット


会場では途中、外国人の記者らしき人に取材をされたので、ジョジョ展@仙台の思い出を語ったけれど、どこかで掲載されたかのかどうかは不明だ。

私の下手な英語が理解されず没になってしまった可能性もある。


翌日、私と夫は荒木先生から情報を得た解剖博物館に行き、またこの原画展の会場に来ようという予定を立てた。

そもそもこのイタリアの旅のきっかけは荒木飛呂彦先生の原画展だった。イタリアの地で心行くまで作品を眺めてから帰りたい……そう夫も感じていたかどうかは分からないけれど、明日も来ようと夫に提案すると、すぐに深く頷いて同意してくれた。


そして話のタネにGucciのミュージアムもよってみようということになった。

※ 荒木飛呂彦先生の原画展「HIROHIKO ARAKI AN EXCLUSIVE MANGA EXHIBITION IN FLORENCE」は、2013年6月28日~7月14日まで、フィレンツェにあるGucciの ショールームで開催されたものです。

目次へ

目次へ

「モルテン食いたりないよね^q^」田辺青蛙
第12回 荒木飛呂彦先生の原画展の思い出inフィレンツェ②
「とうとう開幕原画展! 現地で読んだイタリア語の『岸辺露伴グッチへ行く』」

目次  1