ホーム 『日本全国津々うりゃうりゃ〈休暇強奪編〉』宮田珠己 第19回 鹿児島1 Page 4

テレメンテイコ女史のナビで最初に仁王像に立ち寄ったのは、市内にある明楽寺(みょうらくじ)である。とくに観光スポットというわけではない小さなお寺だ。変な仁王像とはいったいどんなものだろう。

こんなのだった。

片腕がなくて脚もない。廃仏毀釈で破壊されたのである。それはいいとしてずいぶんシンプルというか、丸っこいというか、こんなんでいいのか仁王。

だが、どうやらこの程度で驚いてはいけなかったようである。次に立ち寄った奥龍蔵権現の磨崖仁王はさらに1歩上をいっていた。こんな感じだ。

フォークダンス?

この下半身は橋みたいに見えるがそうではなく、簡略化された腰袴で、本来はその下に2本の脚が突き出しているべきもの。だが実際には脚ではなくて羊歯(しだ)が生えているため、微妙に空中浮遊しているように見える。

そもそもこのざっくり感はなんの冗談であろうか。腕はマイムマイムみたいに腰に当てられ、かすかに残るあばら骨の表現とおぼしい胴体の割れはただの縦横の線、そして頭部は破壊されてなんだかわからない。

だが仮に破壊されていなかったとしても、全体の印象は変わらないだろう。

仁王はさらにもう1体あって、こんなふうだった。

漫画?

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「日本全国津々うりゃうりゃ〈休暇強奪編〉」宮田珠己
第19回 鹿児島1

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