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日本全国津々うりゃうりゃ〈休暇強奪編〉 宮田珠己

第15回「四国横断1・2」


1.世界の終わりとハードボイルド・ビニール袋

徳島へ向かうため、新幹線で岡山まで来て高松行に乗り換えようとしたところで、嫌なニュースが入ってきた。

瀬戸大橋線が強風により運転を見合わせているという。

いつ動くかはわからないとのことだった。

普段なら、そんなもんただ時間をつぶして待っていればいいだけだと気にすることもないのだが、今回だけは事情が違った。

腰がとても痛い。

仕事がら腰痛には慣れ親しんでおり、珍しくもなんともないが、今回の痛いはそういう通常の痛いではなく、下手な動きをすると一瞬で世界の終わりがやってきそうな、つまりはぎっくり腰寸前の痛いなのであった。

出発前はそれほど深刻ではなかった。重い荷物もなんとか持てたし、階段の上り下りも自由自在だった。

ところが岡山までずっと座っていたことにより症状が悪化、世界の残り時間を示す終末時計でいうと、23時57分ぐらいまで針が進んでしまった。時々立って歩いたりして注意はしていたのだが、もはや風前の灯、もう立っていても座っていても歩いていたって危ない感じだ。横になるしかこの危機を乗り切る術はなさそうだった。

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