ホーム 『日本全国津々うりゃうりゃ〈仕事逃亡編〉』宮田珠己 第17回 宮崎1・2 Page 6

ボートが門に進入すると、すぐに滝が現れた。

おお、いきなりのクライマックス!

東京ディズニーランドのジャングルクルーズでも滝は重視されていて、ボートがそのそばを二度も通るコース設定になっている。滝は探検につきもの、滝なくして川の探検はないと言っても過言ではない。

そしてどうやらこの滝が、昔私が何かの写真で見た高千穂峡を象徴する滝のようであった。両岸は柱状節理(ちゅうじょうせつり)の絶壁となってそそりたち、その上には木々が覆い被さってジャングル感もばっちり。通り過ぎた位置から滝を見ると、日光が射して、まさに私が見たかったのはこれだと言いたいぐらいの素晴らしい光景がそこにあった。

んんん、これでこそ手漕ぎボートの聖地高千穂。わざわざ来た甲斐があったというものだ。

実は私には、ここに来るまでずっと気になっていた問題があった。

世に流布されている高千穂峡の写真は、どれを見てもこの滝が映っている。ということは、ひょっとして、この滝以外に見どころないんじゃないか。探検できるのもここで終わりなんじゃないか、ということだ。

しかし、それも杞憂(きゆう)であった。峡谷はまだまだ先へと続いて、ボートでさらに進入できるようになっている。素晴らしい!

この先は写真でも見たことがない未知の領域。いったい何が待っているのだろう。

私は、峡谷の奥へと慎重にボートを進めていった。

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「日本全国津々うりゃうりゃ〈仕事逃亡編〉」宮田珠己
第17回 宮崎1・2

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