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日本全国津々うりゃうりゃ
宮田珠己


第一回「名古屋(一)」

〜目からシャチホコが落ちる〜

世界には、一度たりとも旅行に行く必要性を感じない都市というのがあって、わたしの場合、たとえば最初に思いついた場所をいうと、ネーピードーである。

何だって? もう一回言ってみろ。

ネーピードー──。

地名ぐらい真面目につけろよ、ミャンマー軍事独裁政権。これが地名でなくて、たとえばねちゃねちゃした正体不明のスライム状おやつ(キムチ&コーラ味)の名前であったとしても、あるまじきネーミングセンスであろう。まあ、音感に関係なく、全然行きたくない。

それから、たとえば、

キャンベラ──。

たしかオーストラリアの首都だった気がするが、とくに行きたくない。行ってみれば素敵なところなのかもしれないが、べつにいいや。

さらに、

オタワ──。

行きたくないとかいう前に、犬のマスコットみたいな映像が頭に浮かぶ。地図で場所を指すこともできない。今、手元の世界地図のカナダのページを開いてみたが、右のほうか左のほうかもわからない。結局見つけられず。

日本では、

名古屋──。

ほとんど印象がない。日本人なら誰でも知っている政令指定都市なのに、これほど何のイメージも湧いてこないのは不思議なほどだ。

敢えて思い浮かべるなら、このぐらいである。

名古屋マーライオン

名古屋城の屋根にのってるらしい。わたしの知る範囲で、名古屋中でもっとも面白いものであるが、全然違う形だったような気もする。

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