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ランタンが灯りだすまでまだ時間があるので、出島に行ってみることにした。

出島
出島

出島は、鎖国時に来日したオランダ人が強制的に住まわされた狭い人工島で、そんなことは私が言わなくてもガイドブックに書いてある。あまりに有名すぎて有名すぎて、もう感動の余地が残ってなさそうな観光スポットベスト10のひとつと言っても過言ではない。

旅行者によくある問題として、有名な観光スポットに行くと、あらかじめざっくりした中身を知っているがために、現地ではその事前知識を確認しにいくだけの旅になってしまうジレンマがある。だが、そういう場所も、見るべきポイントを押さえようと思って見物するから面白くないので、見るべきものにはこだわらず、自分の見たいものを素直に見れば、面白いはずである。

出島で言えば、私は場所そのものに興味があった。

海に突き出した外出禁止の島。いったいそこで暮らすのはどんな感じだったのだろう。

とりあえず潮風を浴びて、おお、はるばるオランダから来て今ワタシここにいます! と想像たくましくしようと思ったら、出島、潮風吹いてなかった。周囲はすっかり埋め立てられて、ビルが立て込んでいた。

んんん、興味激減。

それでも精一杯オランダ人な感じで、チケットを買って中に入った。

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第1回 長崎──1. 出島とヒマ

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